ED薬、体重減少薬に多いカウンターフィット薬

カウンターフィット薬というのは、故意に内容や出所についての表示をいつわった医薬品、いわゆる偽造医薬品のことを指しています。避妊用ピルのシートに含まれているプラセボ錠のように、飲み忘れを防ぐため、見た目を本物と同じくして、薬効成分だけをわざわざ抜いた偽薬とよばれるようなものとは一線を画し、明確に詐欺をすることが目的でつくられたものです。医薬品医療機器等法の厳格な規制によって、日本国内ではあまり問題にはなっていないものの、世界で供給されている医薬品のなかで、その1割程度はこうしたカウンターフィット薬であるといわれており、注意が必要です。
カウンターフィット薬は、肥満気味の女性が容貌を美しく見せるために服用する体重減少薬、EDになやむ男性が性生活を豊かなものとするために服用するED治療薬などの生活改善薬に多くなっており、これは正規品が高値で取引されていることとも関連しています。そのほかにも、抗がん剤、HIV治療薬、抗生物質などで類似のものがみつかっているといいます。
わが国でこうした薬による被害が生じるのは、情報源の少ない海外からの個人輸入などで、信頼のできない業者からED治療薬などの薬を購入して服用した場合です。実際のところ、海外から持ち込んだED治療薬を飲んだ人が、急激に意識が低下して病院に搬送されるといった事例も報告されています。
カウンターフィット薬には薬効成分がまったく含まれておらず、見た目だけが正規品とそっくりなものも当然ありますが、偽造であることをごまかすために、何らかの他の正規医薬品の成分を混ぜ込んでいる場合もあります。このケースでは、ED治療薬をうたっていながら、血圧降下剤の成分が含まれていたため、健康被害が生じたものと考えられています。